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2017年03月20日

祖父が使用した陸軍官給長靴を修復Part1:洗浄編【祖父が遺したもの】


【これまでのお話】
実物:日本陸軍 官給 長靴 茶革【祖父が遺したもの】(2017年3月12日)

原型は維持しているものの、父曰く少なくとも30年以上は発見場所の倉庫の片隅で眠り続けていた祖父の官給長靴は汚れ以外にも革の硬化やひび割れ、靴鋲の錆、縫い糸の切れなど様々な問題を抱えています


特に右足用の足首周りは深刻で、変形した状態で完全に硬化しています
さらに縫い糸の劣化も激しく、少し動かしただけでもすぐ切れてしまいます
縫い糸は切れても縫い直せば何とかなりますが、革は崩壊してしまうとどうしようもありません
まずは革の状態改善が先決です。

しかし、この状態の革靴の手入れ方法に悩みます。
以前編上靴の代用として入手したアメリカ軍の硬化したサービスシューズを手入れした際はひたすらミンクオイルを塗りたくり、結局数回の使用で革を崩壊させたことがあります。
今回の長靴は実用するつもりはありませんが、この手段はよくないでしょう。
ということで、友人に助言を求めてみました


その結果、表革の革靴用洗剤「サドルソープ」を採用することにしました。
サドルソープについての詳細はGoogle先生に丸投げしますが、このサドルソープとやらはかなり有効なのだそうです。
ただ、ここまで古い革靴をサドルソープで洗浄したという話をGoogle先生に聞いても答えが帰ってきませんでしたので正直不安もあります。
使用の影響で状態がさらに悪化する可能性もありますが、覚悟を決めて写真のM.モゥブレィ(M.Mowbray)製サドルソープセットを調達しレッツ・トライです。

こんな孫で申し訳ございません……。






ということで風呂場で作業開始です。


状態がいい左足用から作業を始めます。
まずは長靴全体に水を掛けて水分をガンガン浸透させます。
もうこの時点で私の中での革靴手入れセオリーは崩壊です


色が薄いところは水分が十分に浸透していないところです
しっかり浸透していないと仕上がりに影響が出るので注意しましょう。


次に泡立てたサドルソープを靴に乗せ、クリーニングブラシで軽く磨いていきます。
靴底も同じく磨きました。


磨き終わった後は乗っている泡と汚れを落とし、完了です。
また、ついでにホコリまみれの靴の内側も水で流しましたが、水漏れがほどんど無かったことには驚きましたね


桶に溜めていた水は片方を洗い終わった時点でこうなりました。


問題の右足用も同じように洗います。
崩壊しないことを祈ります……。


足首周りを特に重点的に洗い、そして磨いていきます。


左足用も完了です。
一部水が完全に浸透していない部分がありますが、これ以上変化しなかったため割り切りました。


両足共に無事終わりました。


その次は型崩れの修復と乾燥です
長靴の中に新聞紙を入れ、シワを伸ばすなど形状を整えていきます。
水分を含んだため、革が全体的に柔らかくなっています


右足用の足首周りの革も柔軟性が復活したため形状の修復ができました
しかし、劣化している縫い糸がこの作業に耐え切れず、足首周りの糸がさらに切れてしまいました
どうやら劣化は想像以上のようです……。
写真の状態を見た時は「革が切れた!」と思いましたが、縫い糸が切れて分離しているだけとわかりホッとしたのは秘密です。


写真ではわかりにくいですが、この画像に写る縫い合わせ部分も広範囲で糸が切れています
これは大変な作業になりそうです……。


また、右足用に新聞紙を詰めている最中に取っ手部分の縫い糸も完全に切れ、外れてしまいました
おそらく新聞紙を詰める腕との摩擦の影響と思います。
触れてみると生地はボロボロで少し引っ張っただけで裂けてしまいます
右足用の取っ手部分は発見時点で根元から切れていました(切れた先は現存せず)ので、完全に残っている左足用を参考に復元してみようと思います。
祖父が憲兵時代に使用していた時に切れたのか、終戦後以降の使用または保管時の経年劣化で切れたのかはわかりません。

次は洗浄前と洗浄後の両側面の比較をしてみましょう。






【洗浄前】


【サドルソープ洗浄直後】


【サドルソープ洗浄後、乾燥2日目、形状修復中】


【洗浄前】


【サドルソープ洗浄後、乾燥2日目、形状修復中】


【洗浄前】


【サドルソープ洗浄後、乾燥9日目】


【洗浄前】


【洗浄後、乾燥9日目】



極端な変化はありませんが、元の状態よりは幾分キレイになったと思います
完全に乾燥させた後はオイルなどで靴の革表面を仕上げていきます
祖父が使用していた時はどのような仕上がりだったのでしょうか?
イメージを膨らませつつ、作業を継続していきましょう。

祖父が使用した陸軍官給長靴を修復Part1:洗浄編」はこれで以上です。  

Posted by Y.A.S. at 22:45Comments(0)日本軍実物装備

2017年03月12日

実物:日本陸軍 官給 長靴 茶革【祖父が遺したもの】


今回ご紹介するものは父方の亡き祖父が戦時中に憲兵として勤務していた時に使用していた官給品の長靴です。
父の実家にある倉庫を整理していた際、ビニール袋に入った状態で見つかり、持って帰ってきました。
内外共にホコリまみれでしたので、撮影前に軽く清掃しています。







両足の両側面の全体像です。
終戦時祖父は満洲にいたと聞いていますので、おそらくその地でも使用していたと思われます。
官給長靴の実物は数回しか見たことありませんが、使い込まれていたのか、経年の影響か、茶色がかなり濃い印象です




右足用のふくらはぎ周りです。




左足用のふくらはぎ周りです。
10.7」の数字は足のサイズ「10.7文」を示しており、cmに直すと25.5cm~26cm辺りです
ちなみに今時の大人男性の平均サイズは26cm前後だそうです。
素材は牛革でしょうかね?





左足用の足周りです。





右足用の足周りです。
踵にある突起は拍車止めです。
あまり摩耗していないように見受けられます。
固定には5本の釘が使用されています(上段3本、下段2本)。
左足用の足首周りはまだ柔軟性がありますが、右足用の足首周りは変形した状態で硬化しており、さらに縫い糸も一部切れて接合部が分離しています
ひび割れも多く、下手に動かすと完全に割れて崩壊する危険があります。
つま先部も右足用は硬化があり、ソールも若干外れているなど、右足用は全体的に状態が悪いです



両足の靴底です。
前方側の靴鋲は両足共に6個あり、おそらく脱落はありません。
後方側となる踵の靴鋲は右足が1個、左足が2個です。
おそらく本来は逆三角形の各頂点に1個、合計3個あったものと思われます。
靴鋲の多くはかなり錆が進行しています原型は留めています



また、靴底には薄っすらですが製造年を示す「昭十六製」の刻印を確認できます。
そこから推察すると、祖父は昭和16年(1941年)以降には長靴を使用する身分になったのでしょうか?
製造年の上には製造元の刻印がありますが、摩耗しているため確認できません
それ以外の印も使用の影響で消えています。






倉庫はかなりボロボロで、屋根の一部は穴が空いてるなど、保存場所としての環境はかなり悪かっただけに、原型を留めてかつ致命的な損傷もなかったのは奇跡でした。
製造から76年、おそらく終戦以降使用しなくなって72年が経過しているこの長靴の状態は決して良いとは言えませんが、状態改善の見込みはあります。
実用レベルにはできなくても、手入れと修復を施し、見た目だけでも元の姿に近づけてみようと思います
オリジナルの保存」としましては悪い選択となりますが……このまま放置する訳にもいきません。

しかし、祖父の家にこれがあるということは、復員して家に帰った時はこれを履いていたのでしょうかね?
この長靴が祖父の元にやってきて以降歩んだ道はどのような道だったのでしょうか。





長靴さん、はじめまして。最後の持ち主の孫です





……ああ、そういえば、内装を撮影するのを忘れていましたね……(爆)

実物:日本陸軍 官給 長靴 茶革【祖父が遺したもの】」はこれで以上です。  

Posted by Y.A.S. at 23:00Comments(2)日本軍実物装備

2017年01月04日

実物 日本陸軍:ロ号水筒(九九式水筒)・ロ号口栓・昭五式水筒紐呂号


今回ご紹介するのは日本陸軍の実物水筒です。
このタイプの水筒はいわゆる「旧型水筒」の後継として採用された1リットル型で、仕様の違いで複数の種類が存在します。
写真のものは「ロ号水筒」「ロ号口栓」「昭五式水筒紐呂号」の3つで構成されています。


こちらはロ号水筒、別名九九式水筒です。
旧型水筒を更新する1リットル型水筒は昭和5年(1930年)に制式採用され、その改良型となる写真のロ号水筒のタイプは昭和14年(1939年)に制式採用されました。
主な改良点は水筒の防腐処理として採用されたアルマイトです。

アルマイト(英: alumite or anodize、almite)は、アルミニウム表面に陽極酸化皮膜を作る処理である。人工的にアルミニウム表面に分厚い酸化アルミニウム被膜を作る事によって、アルミニウムの耐食性、耐摩耗性の向上、および、装飾その他の機能の付加を目的として行なわれる。
Wikipedia日本語版:アルマイト

また上記文章にも出ている通り、水筒の素材はアルミです。
戦争が進むにつれて水筒の素材は変化していきます。


反対側です。
塗装はかなり強く、少々のことでは剥がれないと思います。



底にある製造印です。
水筒に直接打ち込まれた刻印は「丸の中にカタカナの「」、丸の中にアルファベットの「n*a」(*は文字が潰れていて判別できず)」、昭一七とあり、白色のスタンプには昭17大支、丸の中に「西本」とあります。

丸の中にカタカナの「ロ」はロ号水筒の「ロ」だと思います。
アルファベットの「n*a」はおそらくメーカーに関係するものと思いますが詳細はわかりません。
昭一七は製造年で昭和17年(1943年)を示します。

白スタンプの昭17は上記と同じく製造年、大支は陸軍被服廠大阪支廠の略でこの水筒の検定元、西本はおそらく検定担当者の姓です。


水筒の口部分です。
口が当たる部分は丸みを帯びた造形となっています。


上から見た状態です。
水筒の中身は保存がよかったため、製造から74年経過した現在でも軽く遊ぶ程度には実用可能レベルの状態です


側面です。
水筒は肩から下げて携行するため、身体に当たる方の面は平らになっています。


底部は水筒を置けるよう平らになっています。



こちらは水筒の栓です。
水筒の栓も複数の種類があり、この「ロ号口栓」はロ号水筒採用から暫く経過してから制式採用されました。
このロ号口栓は木製です。
何の木で作られているのでしょうかね?


横に転がしてみました。
空いている穴は栓を固定する紐を通す穴です。


次は昭五式水筒紐呂号です。
昭和5年に採用された昭五式水筒紐の昭和16年(1941年)改正型です。


生地の表面です。


側面です。
そう簡単には破損しないであろう頑丈な生地です。


検定印は残念ながら薄れて読めません


長さ調整の金具はアルミ製です。
さらに後に採用されたタイプでは長さ調節の金具が省略されます


金具の側面です。


連結のところにある金具です。
こちらもアルミ製で、内側には保護がついています。


水筒を納める部分です。


側面です。


底面です。


栓を固定する紐を結び付けるループです。


結び付けた状態です。
紐はオリジナルなのか不明です。


側面から見た状態です。
栓の固定具合ですが、相性が悪いのか思いっきり押さえつけて固定しても水が少し漏れます






ここ最近は某作品の影響で旧型水筒の人気が急上昇中ですが、私個人は昭五式以降の水筒の方が好みです。
ところで、水筒本体の制式名称はロ号水筒、九九式水筒、どちらなのでしょうかね?

実物 日本陸軍:ロ号水筒(九九式水筒)・ロ号口栓・昭五式水筒紐呂号」はこれで以上です。  

Posted by Y.A.S. at 23:20Comments(0)日本軍実物装備

2015年01月06日

日本軍 実物 九〇式鉄帽 中田商店レストア(帽体のみ実物、残り複製品)


名称:九〇式鉄帽(Wikipedia
商品名:N-28 鉄兜
販売元:中田商店(http://www.nakatashoten.com/
定価:13,000円(税抜)




今回ご紹介するのは、台湾軍(中華民国軍)が使用していた九〇式鉄帽を中田商店が引き取り、台湾軍向けに改造された部分を直して各部をレストアした「帽体のみ実物、残り中田商店製複製」の九〇式鉄帽です・・・が、現在発売されているレストア鉄帽も台湾軍使用鉄帽がベースなのかはわかりません(汗)
ちなみに私が購入したのは2011年の3月頃です。

日本軍では当初ヘルメットのことを「鉄兜」という呼称でしたが、後に「鉄帽」と改称し、非鉄製のヘルメットを使用している現在の自衛隊に至るまでその呼称は継承されています。
第二次世界大戦後、武装解除や鹵獲で流出した九〇式鉄帽は内戦や独立戦争などで使用されたり、それ以外でも日本の警視庁が平成12年(2000年)頃まで使用していたと言われたり、一部の都道府県警察では未だに予備品で保管していると言われたりなど、非常に息の長いものです。
オークションや骨董市などでもたまに戦後警察仕様を見ますね。



それでは前置きはこれぐらいにして、詳細を見ていきましょう。






正面から見た帽体です。
材料は「クロムモリブデン鋼」というものを使用しており、採用した理由はWikipedia曰く「硬質ゆえに銃弾や破片の着弾時にあえて割れやすく衝撃を吸収することで着用者の頭部を保護する」とのことです。
ちなみに磁石はつきません。


星章がついていますので、これは陸軍版になります(星章は複製品です)。
塗装がペンキを無造作に塗りたくった感じになっていますが、届いた時点からこの状態です。
このレストア品はとても昔から発売されていますが、元々は丁寧に再塗装されていたそうです

どうしてこうなった。

いずれは綺麗に再塗装したいものです。
ちなみに、レストア前に施されていた塗装を落とさずに上からペンキ塗装した個体もあるらしく、その個体のペンキ塗装を落としたら謎の漢字が出てきた、という話もあるそうです。
私の鉄帽には何か書かれているのでしょうか。


時計回りにぐるっと回していきます。
左側面です。


背面です。


右側面です。


側面で見えるリベットは鉄帽のインナー(中帽)の固定で使用しています。
このリベットも複製品です。


上面です。
楕円に見えますね。
この写真では見にくいですが、通気口の穴が4つ空いています。


通気口部分の拡大です。
九〇式鉄帽と似た外観を持つ防空鉄帽と見分けるポイントの1つです。
しかし、このレストア鉄帽は当初ペンキで通気口が塞がっていましたので、自分で貫通させました。

どうしてこうなった。


ひっくり返してみましょう。
中帽もすべて複製品です。
実物では裏に帽体のサイズが書いてあるのですが、中田商店製では省略されています。
ちなみにサイズは大号です。


リベット留めをしている部分を裏から見たところです。


同じく星章固定部分を裏から見たところです。


両側面にある、顎紐を通す金具です。


後頭部の金具部分です。
両側面と異なり、金具の部分で結んでいます。
こうすることで、両端に伸びる顎紐の長さがズレなくなります。


帽体と中帽の間に挟まるのがこのクッション、別名「座布団」です。
中帽の複製品はいくつかありますが、この部分の出来が悪いものは頭に負担が掛かり、衝撃を受けたりすると痛いです
個体によっては「昭 18年」で始まる捺印があるのですが、私の個体にはありませんでした(中田商店製を示す捺印もありませんでした)。
ちなみに、日本軍では基本的に略帽の上から被りますので、実質二重の中帽となります。


最後に顎紐です。
複製品によっては「顎紐の長さが短くて兜結びができない」という報告があり、特に中田商店製の鉄帽完全複製品(帽体も複製品)が顕著ですが、現在も短いのかはわかりません(2012年頃までは「短かった」という話を聞いています)。


表面はこんな感じです。


顎紐の末端ではバラバラにならないように手前が縫い付けています。
実物においての処置は写真の方法以外にも複数あり、おそらく製造場所や年代による差だと思われます。





サバゲなどで鉄帽を使用する場合、シューティンググラスならまず問題ありませんが、ゴーグルの場合は形状の相性が悪いと鉄帽と干渉してしまい、鉄帽をちゃんと被れなくなるケースがあります
例えば東京マルイ製のフルフェイスゴーグルは完全に干渉します。
私はシューティンググラスOKのフィールドの場合、「東京マルイ製 プロゴーグル」と「ライラクス製 GARUDA メッシュフェイスガード」を組み合わせて使用しています。

ちなみに、これを被っている状態で太い木に不注意で頭から突っ込んだことがありますが、本人も含めて無事でした(笑)
知人のケースですが「足を滑らせて崖からすべり落ちた際に鉄帽で頭を守られた」というのも目撃しましたので、サバゲにおいても安全第一で被っておいて損はないと思います
重さについてもその内慣れます(個人差有)


鉄帽にはオプションパーツで「偽装網」と「鉄帽覆」がありますが、これらは別の記事でご紹介しようと思います。

日本軍 実物 九〇式鉄帽 中田商店レストア(帽体のみ実物)」はこれで以上です。