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2015年01月15日

WWIIドイツ軍 ガスシート(ガスケープ)ケースの装着方法考察 その2(実演有)


今回はガスシートの装着に関する話題の第2弾です。



【前回記事】
WWIIドイツ軍 ガスシートケースの装着方法考察



前回の記事でも述べているように、ガスシートケースの装着方法は2回改正されています。
その理由は「ちゃんとした位置にしても動くとすぐズレるし、とにかく邪魔!」と伝わっています。
確かに当時の写真を見ると「これは邪魔かも・・・」という印象を受けますし、散々禁止命令が通達されたにも関わらず現場で無視された「ガスシートケースをガスマスクコンテナに縛着」もそれを物語っているように感じます。

ですが、それで今回のテーマを終わらせるには物足りませんので、こんなことをしてみました。










「本当にガスシートケースはズレるのか、そして邪魔なのか実験してみた」










今回の実験は度々お世話になっている京都府のWWIIドイツ陸軍歩兵チーム「黒騎士中隊」様の全面協力の基で行いました・・・と言うと大げさ極まりないですが、ガスシートケースを所有しているメンバーさんに実験をお願いしました。

実験にご協力頂き、ありがとうございます。





【実験内容】
まずは最初の制定時の装着方法でサバゲに1ゲーム参加し、参加前と参加後のケース位置を比較。
次に改正時の装着方法で再度サバゲに1ゲーム参加し、同じく比較。
最後に両方の差を比較し、改正の効果があったのかを考証。





それでは早速実験の経過を見ていきましょう。






まずは最初の制定時の装着方法です。
ガスシートケース裏面にある2ヶ所のループにガスマスクコンテナのストラップを通しています。
この状態で1ゲーム遊んで頂きます。
ちなみにケースの中身はガスシートではなくタオルです。


ゲーム終了でセーフティーに帰ってきた時の状態です。
ガスシートケースは見事に残念な位置へ移動しています。
被験者からの感想は「気がついたらケースがこの位置になっていた」でした。


【元写真:海外フォーラムから拾った写真】

この写真と同じ状態ですね。


次は1940年3月18日に「HM.40, Nr.381」で通達された新しい装着方法です。


通達によると、上のループにはストラップを2回通し、ループに巻きつけることになっています。
前回の記事では両方のループに施すと記載していましたが、間違いでした。

この状態でもう1ゲーム遊んで頂きます。


ゲーム終了でセーフティーに帰ってきた時の状態です。
若干下にズレていますが、ゲーム前の位置近くをキープしていますね
被験者からの感想は「匍匐をしてもケースがズレることはなかったが、とても邪魔だった」でした。





【実験結果】
それぞれ1回ずつの実験でしたが、1940年改正の装着方法は「最初の装着方法よりはズレにくい」というのがわかりました。
そして、感想にもあるように「匍匐時は邪魔」というのもわかりました。
走る→伏せる→必要に応じて匍匐前進→立つ→走る」という戦いにおいては確かに問題のある位置だと思います。

また、匍匐前進をする場合、ガスシートケースは上から体重を掛けられた状態で地面と擦れると思いますので、それによるケースや中のシートの痛みも懸念されます。
通常布製とゴム引き製の複製品を触れた感触では「何度も繰り返すと、そう遠くない未来の内に痛みそう」という印象でしたが、実物はどうだったのでしょうか?


ドイツ軍における毒ガス攻撃時の対処はガスマスクを装着し、さらにガスシートで身体を覆い皮膚に付着するのを回避するというコトになっていますので、即応性を考えますと胸元にガスシートケースを置くのがベストとは思います
しかし、実際のところ毒ガス攻撃に対するガスシートの有効性はどうだったのでしょうか。
ガスシート(とケース)は戦争後期になると支給されないことも少なくなかった、という話も聞きます。

即応性を捨ててガスマスクコンテナに縛着する兵士が多数にのぼった背景には、邪魔という以外にもガスシートの有効性に疑問があったのかもしれません。
また、Wikipedia記載の「化学兵器」曰く「ジュネーヴ議定書違反となることを避けたほかに、防護装備の充実した正規軍同士の戦闘で効果が薄く、報復攻撃を受けることを恐れていたためでもある」ともありますので、そういう観点から「使うことはないだろう」という意識が広かったのかもしれません。
(ちなみにガスマスクを捨てたという従軍兵士の証言もあります)

ちなみにガスシートは戦後の再軍備時も同型品を生産、配備をしていたそうです(東西どちらかはわかりません)が、ケースも同型品だったのでしょうかね?
もしも同型品の場合、ケースの装着方法をどうしていたのかが気になります。





【参考資料】
・Wikipedia「化学兵器」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%96%E5%AD%A6%E5%85%B5%E5%99%A8



今回の実験は単に「ズレやすいか否か」程度のことしか考えていませんでしたが、実験を終えると想定していなかった発見や考えなどが生まれました
こういう検証も面白いかもしれませんね。

改めまして、実験にご協力頂き、ありがとうございます。



WWIIドイツ軍 ガスシート(ガスケープ)ケースの装着方法考察 その2(実演有)」はこれで以上です。