スポンサーサイト


上記の広告は1ヶ月以上記事の更新がないブログに表示されます。
新しい記事を書くことで、こちらの広告の表示を消すことができます。  
Posted by ミリタリーブログ at

2017年01月04日

実物 日本陸軍:ロ号水筒(九九式水筒)・ロ号口栓・昭五式水筒紐呂号


今回ご紹介するのは日本陸軍の実物水筒です。
このタイプの水筒はいわゆる「旧型水筒」の後継として採用された1リットル型で、仕様の違いで複数の種類が存在します。
写真のものは「ロ号水筒」「ロ号口栓」「昭五式水筒紐呂号」の3つで構成されています。


こちらはロ号水筒、別名九九式水筒です。
旧型水筒を更新する1リットル型水筒は昭和5年(1930年)に制式採用され、その改良型となる写真のロ号水筒のタイプは昭和14年(1939年)に制式採用されました。
主な改良点は水筒の防腐処理として採用されたアルマイトです。

アルマイト(英: alumite or anodize、almite)は、アルミニウム表面に陽極酸化皮膜を作る処理である。人工的にアルミニウム表面に分厚い酸化アルミニウム被膜を作る事によって、アルミニウムの耐食性、耐摩耗性の向上、および、装飾その他の機能の付加を目的として行なわれる。
Wikipedia日本語版:アルマイト

また上記文章にも出ている通り、水筒の素材はアルミです。
戦争が進むにつれて水筒の素材は変化していきます。


反対側です。
塗装はかなり強く、少々のことでは剥がれないと思います。



底にある製造印です。
水筒に直接打ち込まれた刻印は「丸の中にカタカナの「」、丸の中にアルファベットの「n*a」(*は文字が潰れていて判別できず)」、昭一七とあり、白色のスタンプには昭17大支、丸の中に「西本」とあります。

丸の中にカタカナの「ロ」はロ号水筒の「ロ」だと思います。
アルファベットの「n*a」はおそらくメーカーに関係するものと思いますが詳細はわかりません。
昭一七は製造年で昭和17年(1943年)を示します。

白スタンプの昭17は上記と同じく製造年、大支は陸軍被服廠大阪支廠の略でこの水筒の検定元、西本はおそらく検定担当者の姓です。


水筒の口部分です。
口が当たる部分は丸みを帯びた造形となっています。


上から見た状態です。
水筒の中身は保存がよかったため、製造から74年経過した現在でも軽く遊ぶ程度には実用可能レベルの状態です


側面です。
水筒は肩から下げて携行するため、身体に当たる方の面は平らになっています。


底部は水筒を置けるよう平らになっています。



こちらは水筒の栓です。
水筒の栓も複数の種類があり、この「ロ号口栓」はロ号水筒採用から暫く経過してから制式採用されました。
このロ号口栓は木製です。
何の木で作られているのでしょうかね?


横に転がしてみました。
空いている穴は栓を固定する紐を通す穴です。


次は昭五式水筒紐呂号です。
昭和5年に採用された昭五式水筒紐の昭和16年(1941年)改正型です。


生地の表面です。


側面です。
そう簡単には破損しないであろう頑丈な生地です。


検定印は残念ながら薄れて読めません


長さ調整の金具はアルミ製です。
さらに後に採用されたタイプでは長さ調節の金具が省略されます


金具の側面です。


連結のところにある金具です。
こちらもアルミ製で、内側には保護がついています。


水筒を納める部分です。


側面です。


底面です。


栓を固定する紐を結び付けるループです。


結び付けた状態です。
紐はオリジナルなのか不明です。


側面から見た状態です。
栓の固定具合ですが、相性が悪いのか思いっきり押さえつけて固定しても水が少し漏れます






ここ最近は某作品の影響で旧型水筒の人気が急上昇中ですが、私個人は昭五式以降の水筒の方が好みです。
ところで、水筒本体の制式名称はロ号水筒、九九式水筒、どちらなのでしょうかね?

実物 日本陸軍:ロ号水筒(九九式水筒)・ロ号口栓・昭五式水筒紐呂号」はこれで以上です。