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2014年10月02日

WWIIドイツ軍 ガスシートケースの装着方法考察


今回はドイツ軍のガスシートケースの装着方法についての考察です。
ガスシートバッグ、ガスシートポーチ、ガスケープポーチなど呼び名は色々ありますが、このブログではガスシートケースで統一します。

ガスシートケースは1939年の開戦時からありますが、規定の装着方法は終戦までに2回変更されています。

【参考資料】
・STEINER WW.II ドイツ軍 軍装品 武器類(http://steiner.web.fc2.com/) / ガスシートとガスシートケース
・東部戦線的泥沼日記 ~WW2 German Military Collection(http://gerhard03.blog61.fc2.com/) / ガスシートとポーチ (Gasplane mit Tasche)





【開戦時の規定装着方法】

ガスシートケースの裏にある2つのループにガスマスクコンテナのストラップを通し、胸付近に置く開戦時の装着方法です。
しかし、参考資料のSTEINER氏の記事によると元々この装着方法はゴム引き布製ケースに合わせたものであり、ゴム引き以外のケースとは相性が悪く、現場では「体を動かすと位置がすぐ下にズレる」と酷評されました
(いつからガスシートケースが採用されているかはわかりませんが、訓練段階でわからなかったんでしょうか)
ちなみに写真のモデルはK氏で、このケースはS&GRAF製の通常の布製複製品です。



【1940年改正の規定装着方法】

写真は使い回しです(汗)
1940年3月18日に通達された「陸軍規定40年第381号(HM.40 / Nr.381)」で改正された装着方法は表からパッと見た感じでは何も変わっていないように見えますが、ガスマスクコンテナのストラップをガスシートケースのループに通す際に、1回巻き付ける方法になりました
しかし、この方法でも「体を動かすと位置がすぐズレる」の解消はできず、依然現場では不評が続きました。
なお、「1回巻き付ける」の方法が「ループごとに巻き付ける」のか「まとめて巻き付ける」のかはわかりません…。



【1942年改正の規定装着方法】
当記事用再現写真無し、参考資料のSTEINER氏の記事内に再現写真があります
1942年12月11日、「陸軍規定42年第1130号(HM.42 / Nr.1130)」が通達され、約2年9ヶ月ぶりにガスシートケースの装着方法が再改正されました
待望(?)の新しい装着方法は「ケースの位置を胸の中央からコンテナ側面に変更」です。
最初から限界まで下にズラしておけば問題解決!」と思っていたのかはわかりませんが、現場では「これだとシートのループの強度に難有あり」という新たな問題が発生し、結局不満の矛先が変わっただけで装着方法の問題は解決されませんでした

ちなみにこの装着方法をする当時の写真と映像はこの記事を投稿する段階では発見できませんした。




結局軍の規定で現場を満足させることはできませんでしたが、一方現場では独自の改善方法を早くから生み出し、広く伝わっていきます
ドイツ軍をやっている方でしたら大抵ご存知のアレです。





【現場独自の装着方法】

ガスシートケースをガスマスクコンテナに縛り付ける、広く取り入れられた装着方法です。
写真はWWIIイベント時に撮影したもので、装具ベルト1本で縛っていますが、それが2本なったり、別のものを使用する例もあります。
これなら問題ないし、邪魔にもならない」と現場は大満足したのでしょうが、風の噂か何かでこれを知った軍は「勝手なやり方はけしからん!」と怒ってしまい「ちゃんと規定通りに装着せよ!」と禁止命令を通達しました(いつ頃なのかはわかりません)。
しかし、現場の多くはこの通達を無視し、引き続きガスマスクコンテナに縛り付けて運用していきます。
その後「禁止命令通達→無視」が何度も何度も繰り返され、42年改正の装着方法は「ガスマスクコンテナの横に付けてもいいから、縛り付けるな」という声が入ってるような気もしますが、結局終戦まで禁止命令が完全に守られることはありませんでした





まさに「事件(装着方法の不満)は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!」ですね(謎)
これでガスシートケースの装着方法については以上ですが、一つ疑問があります。





装備をきちんと整える必要がある場面でも禁止命令を破って装着しているのか



いくら便利で効果的な装着方法とはいえ、命令で正式に禁止されている方法ですので規律の面では問題があるでしょう。
もっとも、禁止命令無視が顕著になってきたという戦争中期からは「赤信号、皆で渡れば怖くない」状態になっていたのかもしれませんが…。


(元画像:海外フォーラムで拾った「赤信号、皆で渡れば怖くない」状態の写真)



とりあえず1944年~1945年で探してみましょう。





【参考資料1】

HD Historic Stock Footage WWII GERMAN BLITZ BATTLE OF THE BULGE(Youtube動画
「3:38~3:40」のシーン



まずは1944年12月から1945年1月に掛けて行われたドイツ軍最後の大攻勢、通称「バルジの戦い」の動画からです。
該当シーンがバルジの戦いと関係ない動画、特に年代を遡ることになると大いに問題アリですが、とりあえず1944年末~1945年初頭の資料とします。

該当シーンの一部を静止画にした画像を2枚用意しましたので、ご覧下さい。




(該当シーン1)


(該当シーン2)



戦地に向かっているのか、別の場所に向かっているのかはわかりませんが行軍中の映像です。
少々見にくいと思いますが、少なくない人数の兵士がガスシートケースを1942年改正以前の位置に装着しています。
胸の真ん中ではなく、右脇腹付近に寄っていますが、おそらく左肩からタスキ掛けしてるストラップにケースのループを通しているのでしょう。
ガスシートケースを持っているなら通常ガスマスクコンテナも持っていると思いますので、そっちに縛り付けることもできるでしょうが、こちらを選んでいるということは何かしら理由があると思います。

続いての資料はこちらです。



【参考資料2】

(元写真:海外フォーラムから拾ってきた写真)



1944年に撮影された武装親衛隊の第13SS武装山岳師団「ハンジャール」(クロアチア第1)の写真です。
左から1人目と4人目の兵士がガスシートケースを1942年改正前の位置に装着していますね。
左から4人目の兵士のケースはかなり下の位置にあります。
他の兵士はケースを別に装着しているのか、持っていないのか、単に隠れているのかは不明です。





参考資料はこれで以上です。
これでもかなり探した方なのですが、「この時代のもので多分あってるだろう」という資料は上記の2つで精一杯でした。
YouTubeでは当時の動画を色々見ましたが、解像度が悪い以外にも「タイトルでは時代や場所を絞っているのに、それと関係ないシーン(見覚えのあるシーン)が写っているので、どこまで関係ある動画なのかわからない」ということが多かったので、記事に記載した動画を見つけるのにも苦労しました。



さてさて、ここで2つの仮説を立てみましょう。
1つ目の仮説ですが、参考資料1の該当シーンからイメージして、「装備を整えて行動する場合は指揮官の指示でガスシートケースの位置を決めていたのでは」と考えています。
例えば日本陸軍の場合ですが、九九式背嚢に円匙を縛着する場合、規定の位置は背嚢上面ですが、部隊長が旧型背嚢の時と同じ背嚢右側面の方がいいと決めてその部隊の背嚢の円匙の位置が右側になった、という話があるそうです。

重装サスペンダーの考察時と似た感じですが、「正す時は正して、それ以外(戦場など)の時はどちらでもOK」だったのかもしれません。
ただ、重装サスペンダーの場合はソコソコ資料写真で検証できたことに対し、今回の件の資料数はご覧の状態です。
散々禁止命令を出した規定違反の装着方法が終戦まで続いていたのは間違いないと思いますが、シチュエーションに関係なく無視していたのかについてはわかりません。

もう1つの仮説は「ガスシートケースをガスマスクコンテナに縛着したいが、それに使えるものがなく、かといって1942年改正の装着方法は不安があるのでそれより古い装着方法にした、または指揮官からそういう指示が出ていた、あるいは実行している兵が1942年改正以前の教育を受けている関係では」です。
もう1つ、と言いながら3つ述べているのは気にしないでください。



果たして真実はどうだったのでしょうか。
続報が入りましたら続きます…。

WWIIドイツ軍 ガスシートケースの装着方法考察 」についてはこれで以上です。






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