2014年12月04日
WWIIドイツ陸軍 迫撃砲運用考察 射撃号令編
【元画像:YouTube動画「german mortar team in action」からのキャプチャー】
今回は迫撃砲運用の中における、射撃号令に的を絞って考察してみようと思います。
前回の記事でも大まかな号令を解説しましたが、もう少し深く見てみましょう。
【前回記事】
・WWIIドイツ陸軍 迫撃砲運用考察 sGrW34射撃編
色々探し回っている最中にドイツ語版Wikipediaの記事「Granatwerfer 34」で射撃号令に関する記述がありましたので、該当箇所を引っ張ってきました。
【参考資料】
・ドイツ語版Wikipedia記事「Granatwerfer 34」(http://de.wikipedia.org/wiki/Granatwerfer_34) / Bedienung
Schütze 1 „Feuerbereit“,
Truppführer: „350(Meter) ein Schuss-Feuer frei!“;
Schütze 1: „Abgefeuert“.
Truppführer: „40 nach rechts-50 kürzer-ein Schuss-Feuer frei!“;
Schütze 1:„Abgefeuert“.
※読みやすいように改行を入れています。
前回記事で扱った動画で聞き取ったドイツ語号令と異なる部分がありますね。
また、こちらには次弾射撃前の修正指示もありますが、同じく前回記事で参考資料にしたスペインの第5降下猟兵連隊第I大隊チームの記事に記載されている例文と言い回しが異なっています。
さて、ドイツ語版Wikipediaの方の例文の直訳するとこんな感じでしょうか。
兵1: 射撃準備よし。
分隊長: 350m、単発、自由射撃!
兵1: 発射完了。
分隊長: 右40度、距離50引け、単発、自由射撃!
兵1: 発射完了。
「兵1(Schütze 1)」という表記についてですが、1940年2月15日版のsGrW34運用マニュアル「H. DV.104: Die Uusbildung am f. Gr. Werfer 34 (81mm)」には兵の表記で「Schütze 数字(1~5)」というのがありますので、それに則った表記と思われます。
【元画像:YouTube動画「WW2 German Army 8cm Mortar Fire - GrossDeutschland」からのキャプチャー】
「Schütze 1」は画像の迫撃砲の左にいる人物(調整手)を示します。
ちなみに「Schütze 2」は迫撃砲の右で膝立ちしている人物(装弾手)、「Schütze 3」はその手前で視線を下げている人物(装弾助手、砲弾管理)です。
【参考資料】
・FallschirmJäger Regiment 5, I Kompanie (http://www.fjr5.es/) / Ultimas entradas / 8-cm Granatwerfer 34
次に、前回記事で扱った号令も含めて一連の号令の流れをイメージしてみました。
「Abgefeuert(発射完了)」は使いどころが特定できませんでしたので省いています。
画像は前回記事で使用した写真を流用します。
~準備中~
Schütze 1: Feuerbereit.(射撃準備よし。)
~命令待ち~
Truppführer: Achtung. Feindliche Infanterie. 200 Meter. (注目。敵兵発見。200メートル。)
Schütze 1: 200 Meter.(200メートル。)※復唱
Truppführer: Ein Schuss, laden. Feuer frei.(単発、装填。自由射撃。)
Schütze 1: Ein Schuss, laden. Feuer frei. (単発、装填。自由射撃。)※復唱
~調整中~
Schütze 1: Fertig.(準備完了。)
Truppführer: Los.(行け。)
~射撃、次弾準備~
Schütze 1: Fertig.(準備完了。)
~命令待ち~
Truppführer: 40 nach rechts-50 kürzer-zwo Schüsse-Laden. Feuer frei.(右40度、距離50引け、2発、装填。自由射撃。)
Schütze 1: 40 nach rechts-50 kürzer-zwo Schüsse-Laden. Feuer frei.(右40度、距離50引け、2発、装填。自由射撃。)※復唱
~調整中~
Schütze 1: Fertig.(準備完了。)
Truppführer: Los.(行け。)
~2発射撃、次弾準備~
Schütze 1: Fertig.(準備完了。)
~射撃終了~
Truppführer: Feuerpause.(射撃終了。)
いかがでしょうか。
それっぽい感じになりましたかね?
ちなみに陸上自衛隊での例はこんな感じです。
【参考動画:陸上自衛隊 96式自走120mm迫撃砲】(YouTube)
調べる前までは「イベント当日は一体何をするのか?」と不安がイッパイでしたが、断片的とはいえ、どのような運用をしていたのかがわかってくると楽しみが膨らんできましたね。
引き続き、色々調べてみましょう。
「WWIIドイツ陸軍 迫撃砲運用考察 射撃号令編」はこれで以上です。
Posted by Y.A.S. at 19:42│Comments(2)
│WWIIドイツ軍動作考察
この記事へのコメント
おお〜、素晴らしいですね。
関東のリエナクター・グループUSARさんにも塩ビパイプ製の8cm迫撃砲が2門ありますので、機会があったら是非、迫撃砲のエキスパートとして運用してください。
関東のリエナクター・グループUSARさんにも塩ビパイプ製の8cm迫撃砲が2門ありますので、機会があったら是非、迫撃砲のエキスパートとして運用してください。
Posted by ハント at 2014年12月07日 23:17
>>ハントさん
独断と偏見の塊ですので、果たして記載内容の内、どこまで正解なのかはわかりません(汗)
イベントで改めて色々お話を聞いてみようと思っています
フルスクラッチの8cm迫撃砲があるのですか、素晴らしいですね!
機会があれば是非是非撃ってみたいです
独断と偏見の塊ですので、果たして記載内容の内、どこまで正解なのかはわかりません(汗)
イベントで改めて色々お話を聞いてみようと思っています
フルスクラッチの8cm迫撃砲があるのですか、素晴らしいですね!
機会があれば是非是非撃ってみたいです
Posted by Y.A.S. at 2014年12月08日 21:36