2015年04月21日
日本陸軍 軍袴 腰紐の結び方例(実演有)
今回は日本軍の軍袴(ズボン)における腰紐の結び方についてです。
当初私は蝶々結びをするものだと思っていましたが、防暑襦袢を着用し始め、腰紐の上から帯革を締めるようになってから「帯革を締めると、軍袴の腰紐の結び目が身体に食い込む」という違和感を感じるようになりました。
「そういう仕様なのだろう」と思い、そのまま年月が過ぎていきましたが、ある日のWWIIイベントで「腰ひもでちょうちょ結びは基本的にしない」という話を聞き、チョウチョ結びでない結び方の1つを教えて頂き、後に同じ結び方を日本陸軍ベテランの証言からも得られました。
それを実演してみようと思います。
使用するのは中田商店製複製のの九八式夏袴、旧ロット品です。
軍袴を穿く前に予め左右の腰紐を後ろと側面のループに通しておくと楽です。
ここからは着装状態で進めます。
ちなみに襦袢はオニヅカ堂製複製です。
左の腰紐を右に、右の腰紐を左に引っ張りつつ、正面で交差させます。
腰紐はねじれないように真っ直ぐ張ります。
さらに側面のループに腰紐を通します。
画像は左腰のループです。
ループを通したところから腰紐を折り返し、ループをまたいで腰紐の下から通します。
余った長さは腰紐に巻きつけて処置します。
右腰も同じように処置します。
位置を調整し、シワを伸ばして完成です(と言いつつシワが残ってますが・・・汗)。
ちょうちょ結びをした状態と比較すると、スッキリした印象ですね。
大きな結び目がありませんので上から帯革を締めても快適です。
さらに、ちょうちょ結びをしている時より帯革をシッカリ締めることができます。
すぐに緩みそうな印象でしたが、しっかり結んでおくと激しい動きをしてもほぼ緩みません。
半袴や略袴、袴下なども同じ結び方でOKだと思います。
という感じで実演してみましたが、例外は付き物でして、腰紐を蝶々結びしている当時の写真もあります。
また、今回実演した結び方以外の結び方もあると思います。
このような話を言い出すとキリがありませんが、私としましては「押さえておくとGOODなポイント」です。
海軍ではどうなっていたのでしょうかね・・・?
腰紐が短く同じ結び方ができない個体も実物(元からか、あるいは戦後民間使用時に加工したか)・複製品共にありますが、その場合は正面で交差させる時にU字で引っ掛けるように180度ねじり、腰紐に巻きつけるという手もあります。
軍の現場における腰紐の短さについては、各自で創意工夫していたものと思われます。
「日本陸軍 軍袴 腰紐の結び方例(実演有)」はこれで以上です。