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Posted by ミリタリーブログ at

2015年04月22日

日本軍 鉄帽の顎紐の結び方例 陸軍式と海軍式(実演有)


今回は日本軍の鉄帽、特に九〇式鉄帽における顎紐の結び方についてです。
日本には伝統的な結び方「兜結び」があり、陸軍でもそれを踏襲した結び方が主流となっていました(兜結び以外にもバリエーションはいくつかあります)。

その兜結びを実演してみようと思います。





用意したのはどこぞのネズミーランドの例のアレが入っている帽子を被る謎の人形です。
私自身を被写体にしてもよかったのですが、撮影セッティングがメンドクサクなったので、飾っていたコレを持ってきました。
やる気のない人形に見えますが、実はコレ、電動式でして、電源を入れるとキュインギュイン音を立てながら目と口が動きます


まずは鉄帽の中帽となる略帽を後ろに向けて被ります。
帽垂を略帽に装着している場合は後ろ向きだとシュールになりますので正面に向けて被ります。


次は鉄帽の顎紐の調整です。
鉄帽のループに顎紐を通し、写真のような三角形を左右に作ります。
この三角形は耳が通すスペースとなります。
私は鉄帽の縁を基準にして三角形を作っています。


鉄帽を被ります。


左右で垂れている顎紐をそれぞれ顎下を経由して反対方向にある三角形に対し、内側から通します。


左右それぞれの顎紐を折り返し、右頬付近で蝶々結びにします。
画像ではもう一度下顎を経由していますが、唇の下に顎紐を通して結ぶというバリエーションもあります(こちらの方がより伝統的な兜結びになります)。


最後に結び目の輪や余った長さを顎紐に巻きつけるなどで処置して完成です。
もし帽垂を使用している場合は、垂部を顎紐より外側へ出します。
ちなみに、鉄帽のオシャレな被り方として、顎紐のちょうちょ結びの輪を大きくして、最後の処置をせずにそのまま被るといったものがあります(主に将校の間で行われていたそうです)。





以上が陸軍における一般的な結び方です。

「陸軍」という言葉を念押しで使用していますが、実は海軍では陸軍と異なる別の結び方を採用していました






海軍の鉄帽を所有していませんので陸軍の鉄帽を代用品にして行います
海軍さんスミマセン・・・。

略帽を被り、顎紐で三角形を作ってから被るというところまでは陸軍と同じです。


ここからが陸軍と異なる部分です。
左右で垂れている顎紐をそれぞれ顎下を経由して反対方向にある三角形に対し、外側から通します(画像は左側です)。
海軍式の三角形部は耳を通すと言うより、顎紐を通す隙間な感じです。


後頭部の中央付近でチョウチョ結びをします。
後は陸軍と同じように顎紐の処置をしますが、処置をせずにそのままの状態で被っている当時の写真や映像もあります。
陸軍のようなオシャレ感覚があったのかはわかりません。


海軍版の完成です。
この結び方は結び目が顔の正面側にないのも特徴ですが、陸軍のように結び目が右頬に来るように顎紐を通している例も確認でき、陸軍同様バリエーションがあります。




実際に陸軍版と海軍版を試してみましたが、固定具合に優劣は感じず、両方共に鉄帽をしっかり固定することができました
海軍版の結び方には名前があるのでしょうかね・・・?
兜結びと同様に伝統的な結び方の1つなのかと思い、探してみましたがわかりませんでした。
そして、何故陸軍と海軍が異なる結び方になっていたのかも謎です・・・。

日本軍 鉄帽の顎紐の結び方例 陸軍式と海軍式(実演有)」はこれで以上です。