2014年12月27日
Viva Arms / Rock ZB vz.26 電動ガン(ZB26、チェコ機銃、チェッコ機銃)
名称:ZB vz.26 / ZB26(Wikipedia)
タイプ:電動ガン
メーカー:Viva Arms(販売元:Rock)
全長:1,170mm
重量:5.8 kg(マガジン込み)
使用バッテリー:ミニ
価格:99,000円(新品購入)
今回ご紹介するのはViva Arms製 ZB vz.26 電動ガンです。
「ZB26」と呼ぶ方がメジャーでしょうかね。
浴に言う「中華製」です。
実銃においては、日本軍でチェコ機銃やチェッコ機銃などと呼ばれ、中国軍から鹵獲したZB26を「チ」式七粍九軽機関銃で準正式採用して運用した他、完成度の高さから様々な軍や時代で使用され、新設計の銃の参考にも使用された名銃です。
ZB26の電動ガンは他にも「Arrow Dynamic」「Mith」「A&K」「Apple Airsoft」など、多くのメーカーから出ていますが、前述のメーカーのZB26はすべて「製造元が同じ」か「同様の設計」であり、塗装など多少の差はありますが基本的にまったく同じ電動ガンです。
そして今回の「Viva Arms」も、同じ工場で作られたものと言われています。
私はArrow DynamicなどのZB26を新型、Viva ArmsのZB26は旧型と呼んでいます。
本記事でもその呼称で使い分けます。
ちなみにViva ArmsのZB26は発売までに色々あり、時系列で並べるとこんな感じになります。
・2010年10月頃:
【広報動画:Sneak Peak ZB-26 AEG (HD) - Redwolf Airsoft - RWTV) 】(YouTube)
Viva Armsが2011年2月発売予定で発表。
例によって発売延期される。
・2011年6月頃:
Viva Arms、開発資金調達の難航により開発中止を発表。
完成している試作品と金型を売りに出す。
後にZETA-LABが金型購入のための契約交渉をする。
・2011年9月13日
ZETA-LABがミリブロでZB26を発売すると発表(ちなみにブレンガンも同時発表)。
しかし、契約が成立していないにも関わらず発表した可能性が濃厚。
・空白期間
Viva Armsが資金調達に成功し開発可能となったため、ZETA-LABへの売却契約不成立。
ZETA-LABの勝手な行動にViva Armsが憤怒した可能性あり。
・2012年2月頃:
【広報動画:Rock ZB-26 Teaser Trailer - Redwolf Airsoft - RWTV】(YouTube)
突如RockがViva Arms設計のZB26を限定300丁で発売することを発表。
世界中のAirsoftなショップや個人が争奪戦を繰り広げる。
・2012年4月頃:
日本のショップで少数が流通し始める。
・2012年5月11日:
Y.A.S.さんはG氏からの電話連絡を受け、FIRSTに入荷していた2丁の内の1丁を購入。
【参考資料】
・Gunsmithバトン(http://www.gunsmithbaton.com/) / ブログ / ZB26の真実…(2012年3月26日投稿)
・Zeta-Lab生産(http://koko13121.militaryblog.jp/) / ZETA-LAB ZB26とブレンが同時に発行されます(2011年9月13日投稿)
Viva ArmsのZB26を知った時は「KTW製軽機関銃の約1/3の価格で軽機関銃手ができる!」と感激して貯金を始め、開発中止を知った時は落胆し、突然の予約開始に対する資金調達に難航し、早期購入を諦めていた頃にG氏から連絡を受けて閉店直前のFIRSTへ向かい、G氏とK氏から借金して購入にこぎ着けたのは最初の大イベントでしたね。
もっとも、その後は内部調整に直面するワケですが、これについては書き始めると長くなりますので別の記事に持ち越します。
前置きが長くなりましたので、そろそろ本題へ行きましょう。
左側面です。
右側面です。
素材はほとんどアルミです。
前から順番に細かく見ていきます。
まずはフラッシュハイダーです。
削り跡がガッツリ残っていますが、それはそれで味が出ています。
フロントサイトです。
外周にテープを貼っていますが、サイドガードの固定方法が「挟むだけ」という構造上、ちょっとした衝撃でもサイドガードが外れてしまい、最悪気付かない内に紛失します(紛失した方もいます)。
これはゲームで使用するための応急処置ですが、結局そのままになっています(笑)
実銃には光を取り入れる穴が開いているのですが、旧型は空いていません。
また、フロントサイト基部の固定が非常に甘かったのでシールテープを巻いて隙間を埋め、強固に固定しています。
正面から見たところです。
傾きは写真の状態が最大で、左右に対応しています。
基部にはスプリングがあり、これが開いた状態を維持するテンションとなります。
写真左に見える輪は、スリングのナスカンを通す部分です。
後ろに引いた状態の最大角度です。
銃身はよく見るとテーパーがかかっています(レシーバーから銃口に向かうにつれて、徐々に細くなっていきます)。
前に出した状態の最大角度です。
実銃がどれほど可動するかはわかりませんが、置く場所の地形が少々悪くても対応できる可動域だと思います。
新型ZB26のバイポットは角度を決めるストッパーがないため、油断するとバイポットが動きすぎて本体を地面にぶつけてしまいます。
バイポットを銃身側に畳むとこんな感じです。
しかし、畳んだ状態でも写真のように半分ほど開いています。
実銃では閉じた状態を維持するストッパーがありますが、旧型ZB26では省略されています。
旧型ZB26における畳んだ状態の固定方法が「バイポットが横に開こうとする力を利用しての固定」なので、それを理由に省略されたものと思われますが、この状態の固定は決して固くないため、衝撃を与えるとバイポットが動いて展開状態になります。
この問題はテンションの強いスプリングに変えると比較的改善できるでそうです。
新型ZB26は銃身側に畳む方のストッパーがないため、バイポットの開きを閉じることはできてもブラブラします。
キャリングハンドルです。
左右に振れます。
実物では銃身に通している土台に穴が空いていますが、旧型では省略されています。
強度的な問題かもしれません。
キャリングハンドルは曲げた状態と伸ばした状態で固定できます。
伸ばした状態は腰溜め撃ちや、サイトを覗くため銃を目線まで持ち上げる際などで使用されたと思われます。
角度の調整はキャリングハンドルを引っ張ってストッパーを解除してから行います。
新型ZB26は角度固定のストッパーが省略されているため、キャリングハンドルの役目をあまり果たせません。
キャリングハンドルを銃身に固定するストッパーは写真のイモネジだけです。
このイモネジが外れると前後に動いてしまい、残念な状態になります。
キャリングハンドルを頻繁に使用していた方でここが破損したという話があったそうなので、酷使は避けた方がいいと思います。
チャージングハンドルです。
電動ガンとしては飾りですが、スプリングが入っているのでコッキング操作を楽しめます。
ちなみに、コッキングハンドル側にあるネジが他と異なっていますが、これはネジ穴が破損した時の処置でこうなっています。
実銃では銃身の脱着をするための固定レバーです。
これはロック状態です。
上に上げるとロック解除になりますが、旧型の銃身はこれだけは外れず、別の固定ネジも外すことで初めて外れます。
新型ZB26では実銃と同じ機能が再現されていますが、外れるのはアウターバレルだけでインナーバレルは残ります。
また、不意にレバーが動いて動ロックが解除された際に、電動ガンを落としたという事故もあったそうです。
サイトを覗いた状態です。
ボックスマガジンがレシーバーの上にあるので、フロントサイトとリアサイトは左にオフセットされています。
リアサイトはダイヤルを回すことで上下に調整できます。
左右の調整はできません。
写真の状態は下げ切った状態です。
最大まで上げた状態です。
ダイヤルには数字が入っています。
最大状態は「10」です。
数字の範囲は「1~10」ではなく「3~10」となっており、下げ切った状態には数字が入っていません。
ダイヤルを回す際のクリック感はなく、少し固めの蓋を回しているような感じです。
また、ダイヤルが大きいですので、ゲーム中でも微調整がしやすいです。
新型ZB26は上下だけでなく左右の調整もでき、ダイヤル回しも軽くなってクリック感も加わりましたが、ダイヤルの数字は省略されています。
マガジンハウジングにはダストカバーがあります。
上から給弾する構造上、ゴミが入りやすいのでその対策ですね。
スライドするとチャンバーノズルとホップ調整部が見えます。
ダストカバーはスムーズに動くのですが、少々スムーズ過ぎて傾けると動きます。
チャンバーノズルの前にあるイモネジがホップ調整で、イモネジで直接ホップパッキンを押すタイプです。
旧型ZB26においてはここが非常に悪名高いですが、それについても別の記事に持ち越します。
レシーバー裏からはチャンバーが見えます。
実銃で言うところの排莢口ですが、ダストカバーはありません。
クリップはリアルウッドで、素材はラワンです。
トリガー周りです。
セレクターはセーフティーとフルオートのみです。
セレクターを左に動かしたフルオートにした状態です。
実銃ではセレクターを下にするとセミオートになります。
ストックです。
こちらもリアルウッドで、素材はラワンです。
個体差なのかはわかりませんが、私の個体のこのラワンは品質が悪く、何も考えずに使用すると木目に沿って割れてしまう危険があります。
また、木製ストックの固定はレシーバー側からの木ネジ2本で行いますが、素材の悪さに加えてネジの長さも足りなかったためネジ穴が崩壊しました。
現在は適切な長さのネジに交換し、さらにアンカーと強力な接着剤を使用して強固に固定してます。
ストックを分離させなくても分解結合はできますので、こうなりました。
バットプレート側にあるコレは肩当てです。
上から見るとこんな感じです。
展開した状態です。
実銃では射撃姿勢の維持に役立つ部品ですが、この電動ガンには反動がないので気分用です。
M14にも似たような用途のものがありますので、M14を知っている方には「M14に付いてるアレと似たもの」と説明すればすぐ理解してくれます。
しかしこの肩当て、実銃と比較した場合、角度がかなり浅く、また内側に少々曲がっているものがこちらでは水平です。
そして固定が甘く、すぐ前に倒れてしまいます。
これをよく思わなかった方は改良を加えていますが、面倒臭がりな私はそのままにしています。
新型ZB26はさらに実銃の形状に近づけた形状となりましたが、肩当てがバットプレートのストッパーになってしまいましたので実用できなくなっています(肩当てを展開するとバットプレートが外れます)。
ストック右側面にあるスリングスイベル周りです。
実銃とはまったく異なる形状をしています。
写真ではパーツの裏に隠れているので見えませんが、スリングスイベルの輪は繋がっていません。
気付いていない方がスリングを装着して持ち上げた際、重さに耐えきれずに外れて本体を落とすという事故があったそうです。
ですのでスリングで吊る際は改良する必要がありますが、私の個体では木製ストック自体が負荷に耐え切れず破損すると思います。
バットプレートです。
旧型ZB26はネジ留めです。
新型ZB26は肩当ての解説で述べたように、肩当て自体がバットプレートのストッパーです。
ネジを外すと外れますが、私の個体は当初無理やり付けたのかと思うほど固く、かなり強く引っ張らなければ外れませんでした。
バッテリーはミニを使用、新型ZB26のようにバッテリースペースは広くなく、バーストコントロールユニットを入れる余裕はありません。
バットプレート固定のネジを通すナット(スピンサート)ですが、これの固定が緩かった個体は衝撃でバットプレートごと外れてしまう問題があり、例えばキャリングハンドルを持って移動している最中に外れ、それに気づかず移動し続けた結果どこで落としたのかわからず紛失したという事故もありました。
私の個体は幸いネジを締めなくても少々のことでは外れなかったので、この問題には遭遇しませんでした。
それを知って以降は強力な接着剤で固定しています。
続きまして、マガジンです。
最初から3本セットでしたのでお得感がありましたが、予備マガジンが発売されなかったので純正マガジンは3本だけです。
マガジンは東京マルイのM14マガジン系ベースの独自型で、装弾数は約160発、スプリング式のノーマルマガジン(強制給弾マガジン)です。
新型ZB26は多弾マガジンが標準搭載となり、形状もも実銃を意識したものになりましたが、私はノーマルマガジンの方が好みなので旧型ZB26で満足しています。
ノーマルマガジンを作る際も、ベースを選べば安価に済みます。
パッと見るとM14マガジンですが、前後に突起があります。
東京マルイのM14系マガジンにはこの突起がありませんので、使用する際は突起を作る改造が必要です。
で、このマガジンですが、こちらも色々と悪名高いです。
理由は「突起がABS製なので、給弾口側の薄い突起が摩耗、破損しやすい」です。
この写真のマガジンも破損したので修復しています。
破損状態です。
破損した突起の欠片があれば何とか修復できますが、このマガジンはゲーム中に破損して欠片も紛失したため元には戻せなくなりました。
私所有のマガジンは3本中2本が破損しました。
対策としては、金属板など、頑丈な素材で新しい突起を作るなどがあります。
この突起はマガジンの脱着で最も負担が掛かります。
何故このような部分を柔いABS製にしたのか・・・開発予算的な問題でしょうか。
私の個体は突起が入るスペースを削ってクリアランスを広げています。
後部の突起はマガジンキャッチ側です。
マガジンキャッチは奥に押すと解除されます。
発売当時の日本では、特に日本軍装備をする方々から熱狂的に迎えられて運用された旧型ZB26ですが、特に新型ZB26が発売してからはほとんど見なくなりました。
「より完成度の高い新型ZB26に更新した」なども考えられますが、私は理由の1つでこう考えています。
「内部調整の難易度が非常に高い」
ここまでエラそうな文章を並べてきましたが、私の旧型ZB26は「G氏+K氏+某ガンショップ調整品」、悪く言い換えれば「他人に丸投げ調整品」です。
「分解初心者が海外製エアガンを購入するのはナンセンス」とよく言われますが、
・ZB26の電動ガンを国内メーカーが出すワケない!
・K.T.W.製の九六式・九九式軽機関銃は敷居が高い!!
・ZB26なら九六式軽機が採用される前の時代から終戦まで使用できる!!!
・他の時代や装備でも応用が利く万能な軽機関銃の電動ガン!!!!
・マガジンも上からだし!!!!!
・これは買わざるを得ない!!!!!
という勢いが出来上がっている私は聞く耳を持たずに購入しました。
なお、現在の旧型ZB26は元気に動いています。
売り文句は「最低限の調整と修理以外はViva Armsオリジナルの状態を維持している」です。
これは意外と珍しいのでは、と勝手に思っています(笑)
次回! になるのかはわかりませんが、次の旧型ZB26に関係のお題は「恐怖の調整・修理編」でお送りします。
「Viva Arms / Rock ZB vz.26 電動ガン(ZB26、チェコ機銃、チェッコ機銃)」はこれで以上です。
ああ、そういえば、旧型ZB26の「電動ガンとしての感想」を書いていませんでしたね。
これからZB26の電動ガンの購入を考えられている方は、新型ZB26の選択をを非常に強くお勧めします。
いえ、新型ZB26を購入してください。
旧型ZB26を購入すると、愛情が無ければ高確率で心が折れます。